ドラマ「善徳女王」のファンブログです

    天までとどけ 皇龍寺九重木塔 【追記あり】
    ドラマのオープニング、鳳凰が飛ぶ先に現れるふたつの建築物。
    オープニングの瞻星台と九重木塔
    「瞻星台」と「皇龍寺九重木塔」ですが、その共通点は善徳女王の治世に建てられたということ。
    今回は前回の皇龍寺の中の九重木塔にスポットを当てます。

    『三国遺事』によれば、唐に留学中の慈蔵の前に神人が現れて「皇龍寺に九重塔を建てれば隣国が降服し、九夷もきて朝貢し、王業が長らく太平になるであろう。」と言い、善徳王12(643)年に慈蔵は唐帝がくれた経像、袈裟、幣帛を持って帰国し、善徳王に九重塔の建立を勧めました。善徳王が郡臣たちに意見を聞くと「工匠を百済から求めてこそできましょう」というので宝帛を持って行って百済に頼み、百済から阿非知という工匠が命を受けて来、龍春が200人を率いて2年間かけて善徳王15(646)年九層木塔を完成させたということです。

    皇龍寺 塔跡
    前回とは逆に、金堂址から見た木塔址です。
    その基壇規模は一辺が28.9Mあり、塔の高さはほぼ80mに達したといいます。
    痕跡だけが残っていた皇龍寺は、1964年に塔基壇上の民家が撤去されて心礎が現れたことにより、あらためて注目されることになったそうです。

    塔の基壇の横には、百済からやってきた工匠の阿非知を讃える碑があります。この阿非知の存在は百済の建築技術が大変優秀であったことを示しています。なんかドラマの「薯童謠(ソドンヨ)」の技術者集団を思い出します。

    阿非知にはこんな話が残されています。
    「阿非知が皇龍寺の塔を建てるための基礎工事を進めたが、塔の柱を建てる当日百済が滅亡する夢を見た。それで阿非知は工事を中断しようとした。ところがその瞬間大地が揺れ周囲が暗くなっていくなか、年老いた僧と将一名が出現し、塔の柱を立てて消えた。阿非知はこれを天の意志だとし塔を完成させた。しかしその後660年に百済は実際に滅亡したため、阿非知の夢が実際のものとなった。」

    皇龍寺 碑裏面
    阿非知の碑の裏側には九重の木塔の想像図が描かれています。このような塔がこの基壇の上にどんと80Mの高さで建っていたんですね。

    九重塔にしたのは当時の新羅を取り囲む9つの外国(日本、中華、呉越、托羅、鷹遊、靺鞨、契丹、女真、穢貊)から国を守る意味が込められているといいます。

    慶州タワー
    そしてこれは、ここ皇龍寺ではなく普門地区にある慶州タワーですが、この塔の形でくりぬいた部分は皇龍寺九重木塔の等身大だそうで、周りの木々がミニチュアのように見えますが、普通の木です。た、高いですね~。この高さのものが周りになにもないあそこにどどーんと建っていたかと思うと圧倒されます。

    皇龍寺木塔 楚石
    塔址に戻りまして、建物の基礎部をあらわす直径1Mほどの礎石が縦横に並べて埋められています。本来各辺に8個ずつ計64個の柱礎石があったとされますが、現在残っているのは59個のみです。

    皇龍寺 心礎石
    その中央にはごろんと4.3M×3Mの大きな楕円形の石が置かれており、この石が九層木塔を支えた心礎石になります。この上に心柱を建て、巨大な九層の木塔を支えていました。

    皇龍寺 塔案内
    心礎石の上面中央には一辺が49㎝、深さ34.5㎝の二段からなる方形舎利孔があり、この周囲には排水溝がめぐらされています。
    ちなみに心礎石の上にある大きな石は、塔の廃絶時にかぶせた蓋石のようです。

    寺を建立する際、土地の気運を鎮めるため、金・銀・水晶・真珠・琥珀・瑪瑙などのいわゆる七宝に鏡・刀など鬼神を退けるのに効果的であると考えられた物を埋めますが、この心礎石の下からも地鎮具が出土しました。
    発掘調査の結果、木塔址の心礎石と下部は最初に心礎石が設置されて以降手をつけられていないことが確認され、地鎮具が塔を最初に建てた時以前の遺物であることが明らかになりました。

    ここから発掘されたものは、国立慶州博物館にて展示されていました。
    もしかして陛下が自ら手にとって吟味した品かも!?なんて思ったら、めちゃくちゃときめいて興奮します(笑)
    珠と盒
    「金製盒」「銀製盒」 九層木塔 心礎石 舎利孔 内 出土 新羅646年
    「珠」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    大部分のものは心礎石の下から発掘されましたが、金製の盒(ふたつきの容器)と銀製の盒は上記の心礎石の図にある方形舎利孔から発掘されました。

    地鎮具
    「各種地鎮具」「皇龍寺木塔地鎮具」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    水晶
    「水晶」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    珠・曲玉
    「珠」「曲玉」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    耳飾・珠
    「金銅耳飾」「珠」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    銅鏡
    「銅鏡」 九層木塔 心礎石 下 出土 新羅646年

    善徳女王が皇龍寺に塔を建ててから23年後の676年、新羅は三国統一し、このことから多くの人々が「新羅の三国統一はこの塔の霊験である」と言ったといいます。
    ドラマでは全く触れられなかった女王時代の仏教政策ですが、仏教政策にて民を教化し、戒律を通して人々の行動基準の倫理意識を起こさせる。それによって国を護り、人々の安寧のために三国を統一して戦いを終結する。そのような願いがこの木塔に込められていたのかもしれません。
    なーんてこの塔址やその下に納められた遺物を眺めながら、陛下の胸のうちに思いを馳せるのも楽しいですね。

    ※写真を選択いただくと拡大して見れるようになってます

    【2012.08.21.追記】
    『三国史記』に「善徳王5(636)年3月、王が病にかかり、医薬も祈祷も効き目がなかった。皇龍寺に百高座を設けて、僧たちを集めて仁王経を講じ、百名のものが僧になるのを許した。」とありました。
    百高座とは百座講会のことで、100人の僧が一斉に護国経典である仁王経を読誦して祈願するというもので、新羅をとおして9回ほど色々な祈願が行われていますが、この時は王の病の治癒祈願が行われました。
    このような国をあげた大規模な祈願が行われていることから、皇龍寺は新羅の中で最も重要な官寺であったということがわかります。
    医薬が効かないなんてなんの病気かわかりませんが、ちなみに5月にはあの玉門池のカエルの話(ウィキにあるユシン・ピダムのムラムラ伝説w)が載っているので、仏の御加護かそれまでには治ったようですね。


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    mukugeさん こんばんはーv

    九重の塔の形をくりぬいた慶州タワー!どうしましょう・・・神輿を担ぐまわしをした勇ましいどなたさんかが仁王立ちするおみ足に見えてしまいました・・・!明日からのことを考え今日はやめとこかなと思ったんですが…ついのぞきに来ちゃった疲れちまったもんの言うことで・・・大目にみてお許しを。あ、陛下…すみませぬ…
    げん | URL | 2012/08/15/Wed 23:09 [編集]
    げんさんへ
    げんさん、こんばんはーv
    お疲れのところまたまたお越しくださってありがとうございまーす♪
    て、脚ですか?うぉー、くりぬいたとこばかり見ててそちらには目が行ってませんでしたが、そういわれると…(笑)
    てかこれ、チマ子、チョム子に続くゆるキャラタワ子へ発展しそうな匂いがプンプンしますねwww
    mukuge(むくげ) | URL | 2012/08/16/Thu 18:02 [編集]
    mukugeさん今晩は~。
    確かに、トンマンと仏教政策との関わりといえば「民心掌握には仏教をお使い下さい。」て真平王に言う、ぐらいしかなかったですねー。でもOPに出てきた瞻星台がドラマでしっかり描かれた以上、女王時代に話数がとれていれば、九層木塔建設もしっかり描かれたんじゃないでしょうか。見たかったですね~~。

    〉〉百済から阿非知という工匠が命を受けて来

    この表現だとえらく友好的ですが(しかも宝帛まで与えてるし)、戦もけっこうしてるのに、大事な技術者をすんなりよこすかなー?国の大事な技術流出にもなる訳だし・・・て思ってたんですが、644年って史記ではユシンが百済に大勝して七城を奪取した、ていう年ですよね。戦勝国として割と有無を言わさず連れてきたんじゃなかろうかって邪推が・・・。

    〉〉九重塔にしたのは当時の新羅を取り囲む9つの外国から国を守る意味が込められている

    これ、一層ごとに一国の割り当てがあって、しかも日本は一番下の段だと本で読んだことが。てことはいっちばんぎゅうぎゅうに抑えつけねばならぬ敵って意味なのかなー・・・とちょいとブルーに。その設計ににOKだした善徳女王も、まさかその相手国に将来自分のファンが生まれるだなんて思いもしなかったでしょうねーw

    〉〉地鎮具が塔を最初に建てた時以前の遺物であることが明らかに

    うわ~そりゃ手にとってなくても陛下の承認は受けてるわけで、確認のために見てはいますよねきっと。それに自分が一から関わって建立した寺だし太平の世を発願して立てたんだし、自分の願いを込める意味でも耳飾りなんか身につけていた品を提供したのでは・・・!!とか興奮しますね。ええ九層の一番下の倭の民が。

    〉〉追記

    「善徳女王の真実」でもそのエピソード扱ってましたよね。遺事引用の法惕vs密本対決が、善徳女王の治療にあたる坊さんにもスパイがいたって説で。同じエピソードについてまた違う説をみっけました。(ttp://blog.ohmynews.com/feminif/364637) ※隣国ブログなので翻訳サイトをご利用の上ご覧ください。

    こちらでは法惕=土着信仰のシャーマンで、密本=新たなる宗教、仏教を代表する人間で、新勢力が土着信仰を凌駕する有様を象徴するエピソードとして捉えていました。これもまた面白いと思いますv

    〉〉タワ子

    は、ムリそう。なんかこう、足の間の喰い込みがなんとのうリアルで、アダルトゆるキャラになりそうですww←なに考えてんだー
    りば | URL | 2012/08/25/Sat 23:46 [編集]
    りばさんへ
    りばさん、こんばんはーv

    > OPに出てきた瞻星台がドラマでしっかり描かれた以上、女王時代に話数がとれていれば、九層木塔建設もしっかり描かれたんじゃないでしょうか。見たかったですね~~。

    私も見たかったですー。他に女根谷のエピソードとか(将軍アルチョンv)、志鬼のエピソードとか(ピダム嫉妬爆発)とか、色々ネタはあったのに残念です。九層木塔建設を描いてくれるなら阿非知役は私とあきさんお気に入りのガプスちゃんにやってほしかったですwww

    >644年って史記ではユシンが百済に大勝して七城を奪取した、ていう年ですよね。戦勝国として割と有無を言わさず連れてきたんじゃなかろうかって邪推が・・・。

    私も最初は戦争中なのにそんな文化交流ってなんか不思議だなぁって思ったんです。ですが、百済のほうは先に塔を建てている自分達の技術に自信があるだろうし、新羅に工匠を送ることによって、自分達の力を見せ付けたかったのかなー?なんて思ったりもしました。こちらはこれほど技術の進んだ素晴らしい国なんだから、お前らは足元にも及ばないZO!と威圧する感じで。それが百済の作戦だとしたら、裏目に出すぎて気の毒にもなってしまいますが。史記の百済本紀のほうはノーチェックなんですが新羅の九重木塔にはふれていないんですよね?やっぱり。
    でも、、あっ、そうでした。644年はユシンの戦勝の年でしたね。もし有無を言わさず連れてきたとしたら、史記の記述って新羅にとっても百済にとってもうまーく収めた内容ですよね。百済なんて対戦争国に技術者を送った超懐の大きい国な印象を受けますもの。

    > 〉〉九重塔
    > これ、一層ごとに一国の割り当てがあって、しかも日本は一番下の段だと本で読んだことが。

    あとからまた取り上げますが、慶州タワーにそれを表した図がありました。おっやるとおり日本一番下でしたね。その図エレベーターの横にあって、一層目が日本で、二層目が中華って書いてあったのを見てうちの母ってば「あら、ここに日本料理店と中華料理店があるのね。」ってのたまったっていう…w
    世界中で視聴されている「善徳女王」ですから、日本どころかもっと広いあちこちでファンが生まれているんですよね。9つの国どころかもしかしたらトンマンが憧れていたローマでイタリア語字幕の「善徳女王」を見ている人がいるかもしれませんw

    〉〉地鎮具
    > 自分の願いを込める意味でも耳飾りなんか身につけていた品を提供したのでは・・・!!とか興奮しますね。ええ九層の一番下の倭の民が。

    ええ、たくさん展示物のありすぎる慶州博物館の中で、あきらかに陛下の生きていた時代にあったものに関しては特に興奮しまして、ガラスにへばりついてしまいましたー私。
    うわー、身に着けていた品!数珠みたいな珠なんかは、こう陛下が両手に持って仏に祈るときに使った品だということもありえますよね。思わず写真に合掌。

    > 〉〉追記
    > こちらでは法惕=土着信仰のシャーマンで、密本=新たなる宗教、仏教を代表する人間で、新勢力が土着信仰を凌駕する有様を象徴するエピソードとして捉えていました。これもまた面白いと思いますv

    新情報ありがとうございます!早速飛んでいって見てみました。最初に使った翻訳サイトがダメダメで、ミルボンウィザードって翻訳されまして、間違いというわけではないんですが、こう何かのゲームっぽくてちょっと一人笑ってしまいましたw
    こちらの記事、すごく読み応えがありましたー。まずはさわりの部分の「推測するに女王として受けてきた精神的ストレスが病気を起こしたようだ」ってとこ泣けました。実際の陛下がドラマのトンマンに重なって(TT)
    「女王は新しい宗教勢力密教に力を与えて保守宗教権力を制圧してより強力な王権を実現したかったのかも分からない」ってところも、あーなるほどと。
    そして善徳女王への思いに己を焼き尽くす志鬼の伝説までもが、土着信仰と仏教の衝突による火災事件を揶揄しているのも面白かったですv

    > タワ子

    げんさんのコメントに返信してから気づいてたんですが、げんさんは“神輿を担ぐまわしをした勇ましいどなたさんかが仁王立ちするおみ足”とおっしゃってたんで、タワ子ではなくタワ男ですね、この場合。ですが、な、なんとアダルトゆるキャラとは、なんちゅー新ジャンルキャラですか(爆)慶州タワーにお絵かきして初パスワード記事にして披露してしまいそうです(嘘ですw)

    まだまだまだまだ暑い中、コメントに来てくださいましてどうもありがとうございました~♪
    mukuge(むくげ) | URL | 2012/08/26/Sun 23:33 [編集]
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